「住宅ローン審査に通らない理由とは何?」
「住宅ローン審査はどのような基準なのか?」
「住宅ローン審査に通らない時の対策はあるのか?」
憧れのマイホーム購入のために、住宅ローン審査を受けたものの、審査に通らないことで、先に進めないという悩みを抱える人は少なくありません。
この記事では、住宅ローン審査に通らない人向けに、審査基準や落ちる理由、通過しやすくなる方法について以下の項目に沿って解説します。

住宅ローン審査は1回落ちても諦める必要はありません。
この記事を読めば、住宅ローン審査の仕組みや考え方についての理解を深めた上で、審査通過の確立を高められるため、マイホーム購入の実現へ向けて一歩近づくことができるしょう。
住宅ローン審査の基準と通らない理由

住宅ローン審査の基準については、各金融機関により異なるとされており、基準の詳細について公開もされていません。
また、原則として審査に通らなかった理由についても、申請者へ開示はされませんが、一般的には以下の6つが、有力な原因として考えられます。
- 申請者の年齢
- 健康状態
- 返済比率
- 個人信用情報
- 担保評価
多くの金融機関が注視する審査基準や通らない理由について、それぞれ解説していきますので、参考にしてみてください。
1.申請者の年齢
住宅ローン審査では、申込者の年齢は重要な審査項目の1つです。
一般的に、住宅ローンに申し込む際の年齢制限は満18歳から70歳前後に設定されています。
ただし、多くの金融機関において重視されるのは、申込時の年齢ではなく、完済時の年齢です。
完済時の年齢は、80歳以下を基準にしているケースが多いですが、余裕を持って70歳までに完済するようにローンを組むのが理想的といえます。

医療費などの出費増加も予想されるため、余裕を持った返済計画が大切です。
なお住宅ローン申し込み者の平均年齢は41.5歳ですが、この場合35年程度のローンであれば、75歳前後に完済できるため、ローンに通過する可能性は十分にあるでしょう。
一方で、完済時年齢が80歳に近かったり、超えていたりする場合にはローン審査に落ちる要因となりえます。
2.健康状態
住宅ローン審査では年齢に加えて健康状態も、結果に影響するポイントとされます。
住宅ローン契約を結ぶ際、団体信用生命保険(団信)への加入が求められるのが一般的なためです。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済期間中に、契約者が死亡・重症を負った際に保険金から未返済分のローン金額が支払われ、完済扱いとなる仕組みの保険になります。
団体信用生命保険へは一般の保険と同様に、一定水準以上の健康状態であることが加入条件の1つです。
そのため、持病や直近3年以内にて手術歴がある場合、審査に落ちる可能性が高くなるといえます。
なお、団体信用生命保険へ加入の際には、健康診断の受診は必要なく、原則として告知書の提出にて申告をするのが基本です。
3.返済比率
返済比率は、住宅ローン審査における基準項目のなかで最も重視されるポイントといえます。
返済比率が高い場合、契約者の返済能力に問題があると金融機関側に判断されて、ローン滞納リスクについて大きく懸念されるためです。
住宅ローンにおける返済比率とは、契約者の年収に占める年間返済額の割合を指します。
返済比率は「返済比率(%)=年間返済額÷年収×100」の計算式で算出可能です。
例えば、年収600万円の契約者の年間返済額が180万円の場合、返済比率は、30%となります。
住宅ローン審査において返済比率の審査通過基準は公表されていないものの、一般には35%が1つの目安といえるでしょう。
この数値が、契約者の信用力の評価目安といえるためです。
そのため、返済比率が35%付近にて申し込みを行う場合には、審査に通らない可能性が高くなります。
なお、算出に用いられる年間返済額は、住宅ローンに限らず、クレジットカードやマイカーローンなどすべての借り入れが含まれる点に注意しましょう。
4.個人信用情報
返済比率と並んで個人信用情報も、住宅ローン審査にて注目される項目となります。
個人信用情報とは、契約者の個人情報のほかに以下のような借入がないかが対象です。
- 各種ローン
- クレジットカード
- 奨学金
契約内容や返済状況、残高などが審査される内容です。
一般に住宅ローン審査に申し込みを行うと、金融機関側にて申込者の個人信用情報の照会が行われます。
個人信用情報に問題がない場合、住宅ローン審査が有利に進むことを期待可能です。
一方で、返済が滞っていたり債務整理の履歴があることが発覚すると、返済能力を疑われて審査に通らない可能性が高くなります。
もし、自分の個人信用情報に不安があるなら、一度自分の目で確認を行うのがおすすめです。
確認する際には、指定信用情報機関に対してインターネットまたは郵送にて情報開示請求を行いましょう。
なお、クレジットカード支払の長期滞納などといった情報は、原則として5年程度は残るとされています。
5.担保評価
住宅ローン審査では契約者の属性に加えて、担保評価も重要な審査項目です。
担保評価が低い場合、住宅ローンに通らない可能性が高くなったり、希望の融資額を受けられなくなったりするケースもあります。

担保評価とは、住宅ローン融資の際に、担保とする不動産に対して見込まれる評価額のことです。
金融機関は万が一、契約者の返済が滞った際には担保とする不動産を売却することで資金回収を狙います。
そのため、担保評価が借入金額に対して低い場合、貸し倒れリスクが高くなると判断されることで審査に落とされることが多い傾向です。
不動産担保ローンの担保評価額の目安は、金融機関によって異なるものの、不動産の時価に担保掛目(60~80%程度)を乗じた金額と覚えておくとよいでしょう。
なお、金融機関が売れないと考える物件は担保評価が低くなる傾向です。
例えば、築年数が経過していたり、旧耐震基準での建築や立地の悪い物件が挙げられます。
住宅ローン審査に通りやすくなる方法

住宅ローン審査に落ちた経験のある人であっても、保証人の用意・パートナーとの収入合算・金融機関の乗り換えなどの方法により審査に通りやすくすることが可能です。
ここでは、住宅ローン審査に通りやすくなる方法として代表的なもの7選を紹介します。
それぞれ解説します。
1.自己資金を増やす
住宅ローン審査に通りやすくなる方法として、まず挙げられるのは自己資金を増やすことです。
自己資金を増やせば借入額を減らせるため、返済比率を下げられます。
返済比率は住宅ローン審査で最も重視される項目のため、返済比率を下げられれば、審査通過率の向上に直接的につながるでしょう。
なお、一般的に自己資金は住宅購入資金の1~2割前後とされていますが、妥協しないで審査通過を目指すのであれば総価格の2~3割程度用意するのが理想的です。
自己資金をどの程度、用意して返済比率を下げられるかは、審査結果を左右する重要なポイントとなります。
審査申し込みを行う前に、まずは貯金に専念するなど可能な限り資金をまとめておくとよいでしょう。

貯金を増やすには、出費を見直したり、節約を心がけましょう。
2.保証人を用意する
住宅ローン審査の通過基準を満たさない場合であっても、連帯保証人を立てることを条件に融資が認められるケースがあります。
住宅ローン審査における連帯保証人とは債務者が返済できなくなった際に返済義務を負う人のことです。
一般的には住宅ローン契約をする際に、連帯保証人を立てることは求めらません。
ただし、連帯保証人を付ければ、貸し倒れリスクを抑えられると判断されることがあります。
この場合は、連帯保証人を用意することで審査に通る確率が高いです。
特に自営業者など収入が不安定な業種の方は、連帯保証人を求められることが多い傾向といえるでしょう。
なお、連帯保証人になる条件としては、配偶者や両親などの同居人でかつ審査基準を満たしている人物であることが挙げられます。
3.追加の必要書類を用意する
住宅ローン審査に通らない際の対処法として、事前に提出を求められていた書類の他に、追加書類を用意することも挙げられます。
自身の経済力や返済力を裏付けられる書類を提出すれば、金融機関側からの信憑性や心象を高められて再審査にて有利に働く可能性があるためです。
追加での提出が推奨される書類はいくつかありますが、その中でも返済能力を証明しやすい書類として預金残高証明書・納税証明書の2つが挙げられます。
なお、どういった書類が有利に働くかの詳細については各金融機関ごとに差があるため、担当者に直接聞いてみるのも一つの手です。
住宅ローン再審査の通過を目指すうえで比較的取り組みやすい方法として、追加の書類を探すという方法を覚えておきましょう。
4.収入合算する
年収が低くて、希望する物件購入のローン審査が通らない時に、選択肢になるのが収入合算です。
収入合算とは申込者の収入に親族(配偶者や子供)の収入を合算した金額に基づいて住宅ローンの審査を実施する方法を指します。

例えば、主契約者の年収が300万円で、配偶者の年収が50万円の場合、合算した年収額の350万円を基準にして審査を受けることが可能です。
収入合算を行って、住宅ローンを申し込むことで、単独の場合よりも借入金額を増やせます。
借入金額が増えれば、住宅探しの際に幅広い物件にアプローチできるようになるでしょう。
なお収入合算の要件は金融機関によって異なるため、詳細を確認しておくようにしてください。
5.親子リレーローンを利用する
「収入が低い」「年齢が高すぎる」などの理由で住宅ローン審査に通らないと考えられる際には、親子リレーローンを検討すべきといえます。
親子リレーローンとは、住宅ローンを親から子へと2世帯にわたって返済していく住宅ローンです。
基本的に親が主債務者となって、ローン返済を開始し、親の定年退職や死亡などをきっかけに子供に残債を引き継いでもらう仕組みになります。
親子ローンを利用すれば、2世帯に分けながら長期的な返済を実現できるため、収入が低かったり、年齢が高すぎたりして審査が通らないといった課題を解決することを期待できるでしょう。
なお、親子ローンの審査基準は基本的に一般の住宅ローンと同じと考えてください。
ただし、親よりも引き継ぎ手である子供の返済能力の方が注目されるケースが多い傾向です。
6.クレジットカードの適切な利用実績を積み重ねる
クレジットカードの利用履歴は住宅ローン審査結果に影響する可能性があります。
住宅ローン審査を行うに当たり、各金融機関は、信用情報機関へ申込者のクレジットカード利用履歴を照会するのが一般的です。

照会した際に、滞納情報などがあった際には、審査に通らない可能性が高くなるでしょう。
クレジットカードの利用実績は一般に5年間は残るとされるため、過去に延滞がある方は注意が必要といえます。
適切な利用といっても、基本的には期日通りに支払いを行うだけで問題ありません。
7.比較的通りやすいとされる金融機関へ換える
住宅ローン審査に通らなかった人でも、承認される可能性を高める方法として最後に金融機関を変更することが挙げられます。
各金融機関によって審査基準は様々ですが、契約者との相性によっても、通りやすさは変わってくるといえるでしょう。
別の金融機関に申し込むことで審査に通るようになったケースも少なくありません。
なお、金融機関の変更を検討する際には、長期返済を見据えて金利や条件をしっかりと確認することがポイントになります。
また、住宅ローンを扱う金融機関にはメガバンクから地方銀行、ネット銀行、新設の銀行などの特徴によって複数種類に分けられますが、それぞれ審査傾向が異なる点に注意が必要です。
例えば、ネット銀行は勤続年数が短い人でも比較的、通りやすい傾向にあるといわれています。
各金融機関の審査傾向に合わせて選ぶことでも審査に通る確率を高められるでしょう。
審査に通らない際のおすすめ住宅ローン

住宅ローン審査に通らない方は、申し込み条件が厳しくない金融機関を選ぶことがポイントです。
ここでは、各金融機関のなかでも審査に比較的、通りやすいとされる3社をピックアップし、比較表を作成いたしました。
- PayPay銀行住宅ローン
- SBI新生銀行住宅ローン
- イオン銀行住宅ローン
各住宅ローンの特徴や審査傾向をわかりやすくまとめているため、住宅ローン審査の通過に役立ててください。
PayPay銀行 | SBI新生銀行 | イオン銀行 | |
金利 | 年0.780% | 年0.41% | 年0.78%~ |
借り入れ金額 | 500万円~2億円 | 最大3億円 | 100万円~8,000万円 |
返済方法 | 毎月返済/半年毎増額(ボーナス)返済 | 元利均等返済 | 元利均等返済と元金均等返済のどちらか |
事務手数料 | 借入額×2.20%(税込) | 借入額×2.20%(税込) | 借入額×2.20%(税込) |
ポイント | 「超サポ団信」で保障が充実 | 転職直後、単身者、築古物件でも対応 | イオングループでの買い物、毎日5%OFF |
公式サイト | PayPay銀行 | SBI新生銀行 | イオン銀行 |
1.PayPay銀行住宅ローン
PayPay銀行住宅ローンは、審査に通らなかった人にも選ばれやすい傾向があります。
まず、各住宅ローンの中でも金利がトップクラスで低い水準となっている点が人気の秘訣です。
さらに、団信保証が充実しているのも注目される理由になります。
個人のがんや疫病に柔軟に対応可能な幅広いオプションが用意されているため、安心して団信保証を利用できるといえるでしょう。

病気に加えて、自然災害や失業補償までカバーされる点はPayPay銀行ならではの利点といえます。
そして、事前申し込みからローン契約までスマホ上でスムーズに進められ、わずか2週間ほどで審査結果を得られる点も嬉しいポイントです。
2.SBI新生銀行住宅ローン
SBI新生銀行住宅ローンは柔軟な審査実施を謳っているのが特徴で、一度住宅ローンに通らなかった人でも承認される可能性がある住宅ローンです。
柔軟な審査形体に加えて、SBI新生銀行は転職直後の人でも申し込めたり、仮審査を省いてすぐに本審査を受けられたりとさまざまなメリットがあります。
そのため、住宅ローン審査に申し込んだ経験がある・ないに関わらず選ばれる住宅ローンといえるでしょう。
SBI新生銀行は、通常は取扱いが難しいとされる旧耐震基準の物件に対応している点もポイントです。
転職前後の場合や配偶者がいない場合であっても申し込みやすいなど、審査の柔軟性は群を抜いた住宅ローンといえるでしょう。
3.イオン銀行住宅ローン
イオン銀行住宅ローンは、他行と比較して審査基準が緩い商品とされているため、住宅ローン審査に通らなかった人にもおすすめです。

イオン銀行住宅ローンはイオン運営を中心とした事業展開を行っているイオングループにより扱われています。
一般に非正規の社会人や勤続年数が短い人の場合、住宅ローン審査に通るのは難しいとされます。
一方でイオン銀行住宅ローンは、契約者の属性に対する審査基準は緩い傾向にあるのが特徴です。
そのため、住宅ローンの申し込みには問題がなく、契約成立の可能性も十分にあるでしょう。
また、イオングループならではの特典として、イオンセレクトクラブ入会によりイオングループでの買い物が5%割引きになるのも大きな魅力になります。
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